「勉強する人」が結局はうまくいく。人として成功したい社会人が学び続けるために知っておくべきこと

人によって「成功の形」は様々ですが、社会人になると、ただ「学校の勉強ができる」だけでは、成功するとは限りません。もちろん「知識があること」は強力な武器になりますが、それ以外の能力が大切であることは、言うまでもありません。

資格など形が残るものもそうですが、むしろこれからは「人を巻き込む力」や「新しいものを創造する力」など、コミュニケーション力や人間力といった「個」が持つ力が、重要視される世の中になってきています。

社会人になると、勉強しない、したくてもできないという声をよく聞きますが、どんな内容にしろ、「勉強する人」が「勉強しない人」より、うまくいく可能性が高いのは当然のことでしょう。

今回は、社会人の勉強について、それが必要な理由やメリット、デメリット、そしてこれからの社会人に必要な勉強とはなにか、について解説していきます。

目次

なぜ社会人になって「勉強する」のか?

もう勉強は学生時代でたくさん…と思う人もいますが、社会人になっても勉強し続けている人も少なくありません。なぜ勉強し続けているのかといえば、社会人になって勉強することには、学生時代までの勉強とは全く別のメリットがあり、それを認識しているからです。

学生時代までの勉強の目的やメリット

学生時代までの勉強というのは、私達が人として日本で生活するために必須の義務教育、もしくはよりよい会社に入るための学歴、ほどの意味だったかと思います。「社会のスタートライン」に立つためのもの、とも言えます。

もちろん中には「本当にこれが学びたい!自分にとって必要なんだ!」と勉強してきた人もいると思うのですが、そういうかたは社会人になっても勉強し続けているものです。

学生時代と同じように勉強を考えている人には、そもそも社会人になってまで勉強する意味が見いだせないのは当然でしょう。会社で入った時点で、目的は達成されているからです。

社会人の勉強の目的とメリット

では、社会人にとって勉強する目的やメリットとは何でしょうか?

  • 年収アップや昇進のため
  • キャリアアップ、転職のため
  • 社会人としての教養を身につけるため
  • 人間関係を広めるため
  • 自分を確立するため

「年収アップや昇進のため」は分かりやすいですね。一定の資格を持っていることで特別手当がついたり、昇進の条件であったりすることは多いです。

「キャリアアップ、転職のため」も理解しやすいと思います。 違う職種につきたいなど 他の会社で働きたいからなどです。

「社会人としての教養を身につけるため」というのは、自分の仕事に直接関係がなくても、実社会であなたの力になってくれるもののことです。例えば、コミュニケーション能力やマナー・エチケットなど、人間関係を円滑にするものなどですね。

「人間関係を広めるため」は、会社だけでは出会うことのない人たちと勉強を通して知り合うことができる、ということです。目的が同じ人たちとは、心が通いやすく、友人やいざとなったときに力を貸してくれる人を増やします。

「自分を確立するため」は、勉強することによって、自分をコントロールできる、視野を広げられる、自分の考えを深められるなど、自分に対する自信を養うことができる、など「人間力を高める」ということです。

つまり、社会人になってからの勉強は、あなたの可能性を大きく広げることに、ほかなりません。

社会人の勉強は「諸刃の剣」

社会人になってからの勉強は、さまざまなメリットがありますが、多くの人は、必要性を感じなかったり、忙しいなどを言い訳にして、始めることすらしません。

社会人になって勉強しよう!と考えたことや、実際に行動に移せるのは素晴らしいことです。 まずは、そこに自信を持っていただきたいです。

しかし一方で、社会人の勉強は「諸刃の剣」でもあります。やり方を間違えると、メリットを手にするどころか、デメリットさえ生んでしまいます。せっかく勉強をしているのに、その成果をちゃんと手にできないのは、もったいなさすぎますよね。

では、デメリットを回避し、メリットを最大限に享受するためにはどうすればよいのでしょうか?

社会人が勉強することのデメリット

まずは、社会人が勉強することで起こりうるデメリットが何なのかを知っておきましょう。

仕事に差し障りがでる

仕事に役立つ知識を得るために勉強を始めたのにも関わらず、そのために仕事に影響が出てしまっては元も子もありません。

勉強には時間も労力も必要です。そのためには自分や時間を上手に管理しなければなりませんが、それができないために仕事に影響が出てしまっている人を、たまに見かけます。

睡眠時間を削ってしまっているために仕事中の集中力に欠けたり、勉強への焦りや不安からやるべき仕事を後回しにして勉強をしてしまうなどといった行為は、周りから見れば、到底受け入れられるものではありません。

勉強していればほめられる、何も言われないという職場だとしても、それが許されるのは若くキャリアの浅い人だけです。

勉強は本来「自分のため」にするものです。社会人の勉強は自由意志であり、義務ではありません。やるとなればそこには必ず、なんらかの責任が生まれます。「仕事で結果を出すための勉強だから許される」という甘い考えは捨てましょう。

「余計なアドバイス」に気づかずに失敗する

勉強をすると新しい知識がどんどん増えていきます。それ自体は素晴らしいことですが、実は周りからは歓迎されないこともあるのです。

人には「正しいことを伝えたい、間違いを正したい」という欲求があります。ほかの人よりも多くのことを知っていれば、正しい方向に導いてあげたい、間違いを指摘してあげたい、悪いことが起きないようにしてあげたいと、心の底から思うこともあるはずです。

しかし、その親切心はタイミングを間違えると「おせっかい」または「知識のひけらかし」でしかなくなります。

多くの人は「求めてもいないアドバイス」というのが大嫌いです。過ちを指摘されるより、何も知らないままでいることを好みます。仮にそれが、間違った道につながっていたとしてもです。

また、知識がたくさんある、というのはそれだけで、ある一定の人たちには「劣等感」を抱かせます。あなたが自分の知識をひけらかすつもりは全くないといしても、相手は「知識をひけらかしてきた」と感じてしまうこともありえます。

学ぶこと、新しい分野を理解すること、資格を取ることなどに喜びを感じる人は、周りの人よりも博識であることが多いです。そしてそれらの知識はおそらく正しいです。どこかに「新しく知識を得た自分を見てほしい、知ってほしい」という気持ちもあるのかもしれません。

だとしても、求められない場面で知識を口にすることは、デメリットが多いことを覚えておきましょう。本当に賢い人というのは、黙していても周りには分かるものです。

「インプットばかり」で失敗する

自分の業界の最新知識を得ることや、仕事の技術をより一層磨くことに、多くのエネルギーをかけるのは、一見悪いことのようには見えません。

しかしもし、あなたがそれなりのキャリアを積んできていて、部下がいるような立場であったとしたら、それは勉強のデメリットに蝕まれている可能性があります。

管理職やリーダーになると、自分ひとりの仕事の専念できる時間はどんどん減ります。その代わりに、他人に関わる時間や仕事が増えるでしょう。なぜなら、全体を監督し、権限を移譲し、指導し、人間関係を管理すること、ひいてはチームを発展させて結果を出すこと、それこそが管理職やリーダーの仕事だからです。

技術的なもしくはマニュアル的な仕事には、すでにある知識を仕入れる、つまりインプットが欠かせません。ひとりで仕事をしていたときは、それがあなたの仕事の助けになっていて、勉強というものはそういうものであると、なんとなく思い込んではいませんか?

管理職やリーダーになったら、その考えは捨てましょう。管理職やリーダーの仕事は「チームを発展させて結果を出すこと」です。チームとは「人」です。あなたひとりがいくら最新知識や技術をインプットしたところで、目の前の部下が何を考え、何に悩んでいるのか分かるはずもありません。本を読む時間を、部下との会話に費やしたほうが、仕事の結果は出やすいはずです。

勉強への時間、労力、お金が、果たしてほしい結果に見合っているのか、くれぐれも見誤らないようにしてください。

効率的で合理的な勉強をする

とはいえ「なにか勉強してみようかな」と思っても、なかなか難しいのも事実です。そこで、「効率的かつ合理的」な勉強方法を取り入れてみましょう。

社会人になると、学生の時に比べて、忙しい、記憶力が落ちる、時間がないと、ますます勉強することが難しくなります。「ただなんとなく」学生時代にやっていた勉強法がうまくいくとはかぎりません。

「なにを勉強したらいいか思いつかない」という人は、まずは勉強をするための勉強から始めてみてはどうでしょうか?

あなたはどのくらい「学ぶこと」が好き?

「勉強すること」は、収入アップや昇進、ひいてはそれが「自分の人生を豊かにすること」につながります。

勉強しない人は「必要だから仕方なくやる」感覚があるかもしれませんが、勉強し続ける人は「勉強することが基本的に好きだからやる」のです。

「学ぶこと」が好きで得意になれば自然と「習慣化」できるようになり、結果勉強し続けることになります。

では、ここであなたは、どのくらい「学ぶこと」が好きなのかちょっとチェックをしてみましょう。

次の項目で当てはまるものをチェックしてみてください。

・複数の資格を持っている
・もっといろいろなことをもっと学びたいと常々思っている
・いつも複数の本や資料を同時進行で読んでいる
・挑戦したい講座や資格が複数ある
・専門的な知識がいる仕事に就いていて日々の勉強が欠かせない
・新しいことを知るとワクワクする
・知識を人に伝えることに喜びを感じる

当てはまる数が多いほど、あなたは「学ぶこと」が好きで得意なタイプです。

社会人の勉強の基準はこれ

社会人にとって「勉強すること」というのは、机にかじりついて問題集をひたすら解くことばかりではありません。資格試験の場合は別ですが、基本的に「〇〇点とったから合格」というものではなく「仕事や実生活で結果を出せるか」が大切です。

TOEICで高得点を叩き出したからといって、仕事や実生活で英語を使う機会がまったくないのなら、宝の持ち腐れでしかありません。

また、自分の社会的立場に見合った、周りから求められている内容の勉強をすることも大切です。管理職やリーダーなら、現場での専門的知識はすでにある程度あるはずで、それを深めることが必要なのか、それともメンバーをまとめて、能力を引き出すコミュニケーション力や人間力が必要とされているのかで、勉強する内容が変わってくるはずです。

社会人の勉強は「実際に知識を活かす」ことができてなんぼです。いくら知識を持っていても、それを外に出さなければ周りの人は評価できません。資格があろうがなかろうが、アウトプットができる、現場レベルで実際に役立っていることが必要なのです。

これからの社会人の「勉強」に必要なこと

つまり、社会人の「勉強」に必要なことは以下の3つになります。

  • 効率的かつ合理的な勉強方法を確立する
  • 勉強することを習慣化する
  • 仕事や実生活で結果を出せるものを選ぶ

今までの時代は、一つの専門知識を一つの組織で深め、キャリアを積んでいく「縦方向」への積み上げが評価される時代でした。

しかし、これからは、複数の知識を、複数の関係性で広げる「横方向」へのキャリアが重要視されるといわれています。「個」と「個」が広がりながら、つながる関係です。

つまり、今までの「同じ集団の中で生き抜く勉強」とは、全く違う「多様性の中で個が生き抜く勉強」をする必要が出てきています。

以前なら、ゴールまでのレールが敷かれていて、専門的な知識を高めることだけに集中できたのが、これからは自分の専門性を高めると同時に、それを「横」に広げ、つなげていく発想力や、スキルが必要になってきます。

そこには情報をインプットするだけではなく、その情報を「どのように」「どうして」使うかを、自分で考える力が必要です。そして、それを「どんな人が、誰が」やっているのか、が周りからの評価の対象にもなってきます。

もし、「いろんな勉強をしてみたけれどうまく活用できていない気がする」「もっと自分の知識や能力を活かしたい」「部下やメンバーの能力をもっと引き出したい」と思っていたら、情報の収集して身につける勉強から、その情報を活用できる自分に変わる勉強に切り替えましょう。

そんな勉強に興味のある方はこちらも読んでみてください。

まとめ

【悩み】
社会人でも勉強したほうがいいと思うけれどうまくできない

【原因】
自分が勉強する目的やメリット、デメリットを把握しきれていない

(目的やメリット)
・年収アップや昇進のため
・キャリアアップ、転職のため
・社会人としての教養を身につけるため
・人間関係を広めるため
・自分を確立するため

(デメリット)
・仕事に差し障りが出る
・「余計なアドバイス」に気づかずに失敗する
・「インプットばかり」で失敗する

【対処法】
・効率的かつ合理的な勉強方法を確立する
・勉強することを習慣化する
・仕事や実生活で結果を出せるものを選ぶ

今後は、自分の専門性を高めると同時に、それを「横」に広げ、つなげていく発想力や、スキルが必要になってくる

田代 真理
Mari Coaching Room 代表
メンタルコーチ。コーチ歴17年、手帳歴20年。「3つの視点」にフォーカスした自分と周囲を変革するための独自メソッド『3つの視点コーチング™』で、個人セッション、講座、法人社外コーチとして活動。手帳を使ったセルフコーチング・自作テンプレート『大人が整うノート』を提供中。
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