「仕事ができない人」の3つの特徴と対処法。仕事ができないたったひとつの原因とは?

「仕事のできない人」。あなたには思い当たる人はいますか?

どこの職場にもいるものですが、つきあわされる周りとしてみれば、本当に厄介な問題です。

計画通りに仕事が進まなかったり、自分の仕事が増えたり、その度にイライラしてしまいませんか?

今回は、「仕事ができない人」の特徴や、原因そして、一緒に仕事しないといけないときの対処法について解説していきます。

目次

そもそも「仕事ができない」とは?

部下にしろ、同僚にしろ、上司にしろ、仕事ができないというのは、本来は本人の問題です。

ですから、本当はその本人が気づき、克服していくべきことです。

しかし、そういった人に限って、周りの人に迷惑をかけていることに無関心だったり、変わる努力を放棄していたりします。

こうしたところも、反感を買う理由のひとつですよね。

周りの人間としては、なんとかしたい、と考えるのは当然だと思いますが、本人を変えようと思っても、どうしたらいいか分からないという場合が多いようです。

なんとかしたい、と思われているならまだしも、そんな時間も体力もないし、ぶっちゃけそこまでやってもね…(本当は辞めてほしいくらいだし)と思われていることもあります。

「仕事ができない」といってもその内容はさまざまです。

その原因が分かれば、少しは気分も楽になりますし、対応もしやすくなります。

仕事ができない人の特徴3つ

では、「仕事ができない人」には、どんな特徴があるのでしょうか。

代表的なものを3つあげてみます。

1,段取り・要領が悪い

1つ目は、仕事のやり方や質に関することです。

  • ルーティンの作業なのに、毎回同じ間違いをする
  • 作業を始めてから足りない資料やものに気づき、準備に時間を取られる
  • 詰めが甘く、仕事の完成度が低い

    こういった「段取り・要領が悪い」という人ですね。

    これはとても分かりやすい「仕事ができない」という状態です。

    マニュアルがあるにも関わらず抜けや漏れがあったり、計画通りに仕事が進められず締切を守れなかったり。

    周りから見ると、準備不足や確認不足など「なんでそんなことも分からないんだろう?できないんだろう?」というレベルです。

    新入社員や初めての仕事ならまだしも、ある程度時間が経てばできるようになるはずのことでも、失敗を繰り返したり、なかなかそれを改善できなかったりします。

    2,コミュニケーション力が低い

    2つ目は、仕事上のコミュニケーションの問題です。

    • 人の話を聞こうとしない
    • 分かっていると言ったのにできない
    • 確認してこない
    • 説明させても何を言っているのか分からない
    • 話に一貫性がない
    • 気分や好き嫌いで対応が変わる

    など、全般的に仕事に必要最低限のコミュニケーションが上手く取れないという状態です。

    完全に一人でやれる仕事はこの世の中に存在しません。

    チームで仕事をしていれば、なおさらコミュニケーションは大切になるでしょう。

    その人がどれだけ質の高い仕事をしても、その内容が独りよがりだったり、うまく伝わらないのでは意味がありません。

    前述の「段取り・要領が悪い」よりも、問題が大きくなることが多く、周りも振り回されやすくなるので、厄介といえます。

    3,自分の考えや価値観に固執する

    3つ目は、個人の考えや価値観の問題です。

    • 自分が正しいと思っていることに固執し、周りに合わせられない
    • 前時代的なやり方、非効率なやり方、間違ったやり方を指摘しても、直そうとしない
    • 「やりたくないからやらない」といった自分勝手を通す

    など、個人の考えや価値観が、問題となっている状態です。

    これは、若い人よりも、年齢を重ねてきた人のほうが多いかもしれません。

    経験が増え、立場が上がると、それだけ自分や仕事に対する自尊心もあります。

    柔軟性が乏しく、現状を維持しようと保守的になりすぎている場合、このような状態になりがちです。

    立場が上の人がこういう状態だと、会社の行く末も心配になってきますね。

    仕事ができない人への対処方法

    仕事ができない人の特徴3つを並べましたが、ひとことでいうと「社会人としてのスキルや心持ちが足りていない」状態といえます。

    まずは、自分がどんなことに対して、どんな気持ちになりやすいのか、ということを知っておくことが大切です。

    そのうえで、自分ができる範囲のことをすればよいのです。

    では、それぞれの特徴について、対処方法をみていきましょう。

    1,段取り・要領が悪い人への対処方法

    段取り・要領が悪いというのは、その業務に慣れていないときは仕方ないことですし、慣れるまでには時間も必要です。

    仕事ができる人や完璧主義の傾向のある人は、その人の仕事の質や仕上げるまでの時間の合格ラインを、自分のそれと比べてしまいがちです。

    人それぞれ、やりやすい方法やかかる時間は違います。

    自分のそれと違っても、大局的に見て結果的に問題なければ良しとしましょう。

    いちいち口を出すのは、マイクロマネジメントにつながり、相手のやる気をそぐことにもなりかねません。

    また、できないからといって、仕事を代わりにやってしまうことは、自分の仕事を増やすだけでなく、その人の成長の機会を奪うことになります。

    「不器用だけどなんとかしようと頑張っている」と分かる相手には、「この人、仕事できないな」と思いながらも、一定数の理解者がいるはずです。

    そういった人に協力してもらって、まめにフォローやアドバイスができる体制を整えていくことも一つの方法です。

    2,コミュニケーション力が低い人への対処方法

    コミュニケーションというのは、自然にできるようになるものに思いがちですが、そうではありません。

    有用なコミュニケーションスキルを学び、それを使えるようになるまで練習することが必要です。

    コミュニケーションは必須教育科目の一つではないので、自分が置かれた環境で、自分で試行錯誤して身につけているのが現状です。

    そのため、コミュニケーションの重要性をいまいち理解できていなかったり、それまでにコミュニケーションをする機会が極端に少なく、苦手意識をもっていたり、失敗した記憶から臆病になっている可能性もあります。

    もし、相手に円滑なコミュニケーションを望むならば「できて当たり前」と考える前に、自分が相手にどのようなコミュニケーションをしてほしいのか、そして相手はそれに応えるだけのスタンスやスキル、ポテンシャルを持っているのかを考えなければなりません。

    それを把握した上で、どう対応するかが変わってきます。

    また、本人の問題だけではなく「人」や「環境」が悪いこともあります。

    本人のコミュニケーション能力には実は問題がないにも関わらず「質問できる雰囲気じゃない」「Aさんのやり方とBさんのやり方が違う」「言っても無駄」と、コミュニケーションを図ること自体を諦めてしまっていたり、その場しのぎの対応をしていることもありえます。

    コミュニケーションの問題は、仕事の手順と違って「これをやればOK」という決まったやり方がありません。

    できる、できないの判断も難しいものですので、安易に「相手のコミュニケーション力の問題」と片付けるのは危険だということを肝に命じておきましょう。

    3,自分の考えや価値観に固執する人への対応

    3つの問題の中で、これが一番厄介な問題です。

    他の2つはスキルの向上でカバーできる面もありますが、これは「スタンス」や「心持ち」の範囲だからです。

    スキルに関することは、基準値が割合はっきりしているので「良い悪い」の判断がつきやすく、改善を促したり、本人も何をどうすればいいのかが分かりやすいです。

    しかし、考えや価値観は「なぜそれが問題なのかが理解できない」「これが自分だから」「変えようがない」と本人が変わろうとしなかったり、結果が短期間で出ないなどの理由で、本人も周りも諦めてしまいがちです。

    周りに悪影響を及ぼす考えや価値観には、次のようなことが考えられます。

    ① やりたくないからやらない、他の誰かがやるだろう=責任感の欠如

    ② 新しいことをしたくない、変えたくない=現状維持、変化への抵抗

    ③ 注意力、判断力が足りない=集中力の欠如

    ④ 脳の発達にかかわること

    ④については、「大人の発達障害」のグレーゾーンの可能性がある、ということです。

    簡単に判断できるものではありませんが、もし、その可能性があると感じたら、専門機関に相談してください。

    考えや価値観を変えることは、確かに簡単なことではありません。

    しかし、それが変わったときの影響の範囲や強さ、というのは、他の2つの問題が改善されたときよりもずっと大きいものです。

    もし、その人を変える必要がある、と判断したならば、一人で抱え込まず、仲間を作ったり、プロの力を借りることを考えましょう。

    仕事のできない人をなんとかするのは難しい

    対応を見てきましたが、はっきり言ってしまうと、他人を変えるのにはかなりの時間と労力とスキルが必要です。

    その時間と労力をかける必要や責任があなたにあるのかを、まず見極めましょう。

    あくまで、仕事ができないのは、仕事ができない本人の問題で、あなたの問題ではありません。

    あなた自身の問題が何なのかを、見誤らないことです。

    あなた自身の問題は「その人が仕事ができないこと」ではなく、それによって引き起こされる出来事や感情などの「あなたへの影響」のはずです。

    その影響を極力減らすために、そういう人とは一定の距離を置くのもいいでしょう。

    業務上の関わりで、最低限必要なコミュニケーションだけをする、と割り切ればよいのです。

    当然と言えば当然のことですが、それが上手にできれば、そもそも悩んだりしないでしょう。

    では、どうすればいいのか?というと「自分の受け取り方や考え方を変える」、これしかありません。

    「自分が我慢すればいい」「自分がフォローすればいい」「相手が変わるべきだ」「なんとかしなければいけない」といった考えは、自分を苦しめるだけで、実際のところ、相手は1mmも変わりません。

    原因が相手にあると考え「なぜあの人はできないのか?」「どうしてあの人はそうなるのか?」という原因を考え始めると、泥沼にはまります。

    自分がやっている考え方や受け取り方を変えることは、相手を変えることよりもずっと簡単です。

    そして、ずっと効果があります。

    次に、簡単に考え方や受け取り方を変えられる方法をご紹介します。

    仕事ができないと感じるたったひとつの原因

    「仕事ができない」と感じる原因は「視点」の違いです。

    「仕事ができない人」が仕事ができないのは、その人が「第1視点」にいることが多いからです。

    そして、仕事ができる人、というのは「第2視点」や「第3視点」から、それを見ています。

    この視点のズレを認識できていないことこそが、問題なのです。

    第1視点というのは「その人本人の視点」、つまり「その人の基準がすべての基準」になる視点です。

    第1視点は、感覚的、体感的な視点で、自分が絶対的な存在です。

    時間の捉え方の特徴としては「今現在」が優先であり、過去や未来にはあまり目が向きません。

    つまり、これが悪い方向に出ると「1,段取り・要領が悪く」「2,コミュニケーション力が低く」「3,自分の考えやに固執する・自分勝手」になって当然なのです。

    時間的に「今現在」しかないというのは、具体的には、仕事も計画を立てることなく、目についたことから手当たり次第やる、といった行動に現れてきます。

    全体を俯瞰的に見て、逆算しながら計画的に仕事をする第3視点から言わせると「なぜそこから手を付ける、どう考えたったて、こっちからやったほうが効率がいいだろう」とイラッとします。

    また、自分の感覚や体感的というのは、「気分」で物事をインプット・アウトプットするということです。

    つまり、言葉にするのが苦手で、感情を丸出しにしてしまう、ということです。

    感情を抑制できる第3視点や、場の調和を大切にする第2視点から言わせると「気分にムラがあってほんと振り回される、疲れる」となります。

    第1視点は自分しかいません。

    周りの人であったり、社会的なことは、考えから抜け落ちています。

    自分の価値観が全てで、それが基準。

    そして、その基準に合わせて動くことが正義です。

    他人を理解しようと努める第2視点から言わせれば「他の人と合わせればいいのに」とモヤモヤするし、合理的な第3視点から言わせれば「もっといい方法はいくらでもあるのに」と呆れてしまうことでしょう。

    「ああ、あの人は第1視点が強いからねえ(そしてそれが悪い方向に出ているからねえ)」と思えば、諦めもつきやすくなりますし、同時に「最低限のコミュニケーション」を図ることもできるようになります。

    もしあなたがそういう人に「積極的に関わらなければならない」立場だとしたら、 責任感の欠如や成長への抵抗、集中力の欠如といったものにアプローチしていかなければなりません。

    このときも、相手が「第1視点」であることがわかっていれば、ぐっと楽にそれに対応できます。

    まとめ

    【「仕事のできない人」の特徴】

    「1,段取り・要領が悪い」

    「2,コミュニケーション力が低い」

    「3,自分の考えやに固執する・自分勝手」

    【原因】「第1視点」の悪い面が出てしまっている

    【対処法】影響を極力受けないように、一定の距離を置く、または自分の考え方や受け取り方を変える。

    もし、積極的に関わらなければいけない立場だったり、どうしても自分がなんとかしてあげたいと思う場合は、「第1視点」を理解し、それに対処できるだけのマインドやスキルと身につける必要がある。

    田代 真理
    Mari Coaching Room 代表
    メンタルコーチ。コーチ歴17年、手帳歴20年。「3つの視点」にフォーカスした自分と周囲を変革するための独自メソッド『3つの視点コーチング™』で、個人セッション、講座、法人社外コーチとして活動。手帳を使ったセルフコーチング・自作テンプレート『大人が整うノート』を提供中。
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