「やる気がない」からじゃない。目標や計画がうまくいかない5つの理由とその対策

下半期に入る7月は、1年が半分過ぎ、夏休みも近くなることから、職場やプライベートで新しい目標や予定が立ち上がりやすい時期です。

年始に立てた目標も、見直すのに良いタイミング。でも、もしかしたら「目標ねえ、立てたねえ」と遠い目になってしまった方もいるかもしれませんね。

今回は「目標や計画を立てたのに、なぜかうまくいかない」といお悩みの方に向けて、どうしたら「計画通りにやり遂げる」ことができるようになるのか、できない理由と対策を解説していきます。

目次

目標や計画通りにいかない5つの理由とその対策

計画、とひとことで言っても、勉強、仕事、キャリアプラン、遊びなど、その内容はさまざまです。

「遊びの計画は何も考えないでもできるのに、仕事になると急にやる気が失せる」
「夏休みの宿題の計画を子供にさせたいけど、うまくいかない」
「今年こそは転職を!と思っていたのに、全然、前に進んでいない」
「キャリアプランどおりにいっていなくて、焦っている」
など、「目標と計画」に関わる悩みは、コーチングではよく出てきます。

「目標や計画がうまくいかないのは、その人にやる気がないからだ!」と発破をかける人もいますが、実は「やる気以前の問題」がほとんどです。

今までのコーチとしての体験から「それではうまくいかないだろうなあ」と感じる理由を5つにまとめてみました。それぞれの対策もご紹介しますので「私、これだな」と思ったところがあったら参考にしてみてください。

理由1 「やりたくないこと」が目標になっている

「遊びの計画はガンガンできるのに、仕事になると急にやる気が失せる」
「夏休みの宿題の計画を子供にさせたいけど、うまくいかない」。

この2つに共通して多い理由が「そもそもやりたくないことが目標になっている」ということです。

会社が学校での目標というのは、その多くが「上司や先生や親から言われたこと」です。

自分は「やりたくない」もしくは「やりたくないとまでは言わないけれど、やらなくていいならそのほうがいい」と思っていることは、それを目標にしたところで、やる気が出るわけもありません。

とはいえ「やらなければいけないこと」なので、なんとかしてやる必要が出てきます。

ここで自分を律することが得意な第3視点の人や、周りの人のことを第一に考える第2視点の人なら、なんとかやってのけるのですが、特に、眼の前のことに自分の感情が動いてしまう第1視点の人だと、途端にその達成率が下がります。

ここでの対策は「眼の前の「やりたくないこと」を未来の「やりたいこと」につなげる」方法です。

わかり易い例でいうと「受験勉強なんてホントはやりたくないけど、将来、医者になるためには仕方ない、今は勉強するか」みたいなことですね。

眼の前のことから少し離れた「未来」を見たとき、眼の前の「やりたくないこと」が必要だと思えると、人は動けます。

心から「ほしい、そうなりたい」と思えるものが、その先にあると思えれば、人は嫌なことも案外できてしまうのです。

理由2 メリットがぼんやりしている

「今年こそは転職を!と思っていたのに、全然、前に進んでいない」という場合はどうでしょう。

やりたいと思っていて、その先の未来も見据えているような気がします。

こういった場合、2つの原因が考えられます。

1つ目は「本当はやりたいと思っていない」。理由1と同じ。

2つ目は「メリットがぼんやりしている」です。

「本当はやりたいと思っていない」場合「今の目の前のことから逃げ出したい」という感情が先にあって、その方法の一つとして「転職」が選ばれている、という状況です。つまり「転職がしたい」のではなく、本当の動機は「逃げ出したい」ですから、もし「明日から休んでいいよ」と言われればそちらを選ぶのもありな状態です。

転職の相談をされる方もたくさんいますが、自分でもそれに気づいていないこともよくあることですので、まずはそこを確認してみてください。

2つ目の「メリットがぼんやりしている」は「転職したらどんないいことが起こるのか」が曖昧なままである状態、ということです。

「なんとなく今よりいいことがありそう、いい状態になれそう」という「感覚」ではなく、それが「具体的にどんなことなのか、どういう状態なのか?」しっかりと「言葉」にできていないと、行動に移すのが難しくなります。

つまり、対策は「具体的なメリットを言葉にしてたくさん出す」こと。メリットは実現するかどうかは関係なく、できるだけたくさん考えてみてください。そうすることで、計画が進みやすくなるでしょう。

理由3 計画が「気持ち」になっている

目標はちゃんと確認できた、計画も立てた。でも計画が進まない、という場合は「計画そのもの」に問題があります。

計画を実現するには「行動」の積み重ねが必要です。つまり、計画というのは「具体的で明確な行動」の一覧です。

しかし、計画を立てる際に「行動っぽく見える気持ち」が並んでしまう場合があります。

例えば「早起きを心がける」「コミュニケーションを意識する」「誠心誠意努力する」「報告を徹底する」。

これらは「行動」ではなく「気持ち」です。もしくは、人によってその行動に差が出すぎる言葉です。「私はコミュニケーションを意識しています!」と言われても、実際話してみると「どこが?」なんてこともあるわけです。心がけでできるのなら、そもそも目標も計画もいらないですよね。

対策としては、計画を立てるとき、こういった言葉を使わないようにすること。「早起きを心がける」→「朝5時に起きる」、「報告を徹底する」→「毎日帰る前に日報を書いて提出する」など、周りの人から見て「確かにそうだね、やってるね」と思われる内容や、他の誰がやっても同じ行動が取れる文章で計画を立てましょう。

理由4 綿密すぎる

理由3は、計画があまりにあやふやな内容でしたが、逆に、計画が「綿密すぎる」場合もあります。第3視点の方に多いのですが「私の計画は完璧!このとおりに進めれば安心!」という気持ちが行き過ぎて、固執してしまっている場合です。

「キャリアプランどおりにいっていなくて、焦っている」という場合、数年単位で部署異動、結婚などが、びっしり書いてあることがあります。そうでなくても、日々の業務でも「◯日までにこの仕事を絶対に終えて、そのためには今日の14時までにこれをして、え、今その仕事ぶっこみますか?!」みたいなことが起きてしまいがちです。

こんなことが続くと、イライラも募りますし、モチベーションも下がって当然です。

今は「変化」の時代です。未来を思い描くことは大切ですが、思い描いたとおりになるとはかぎりません。むしろ、他の道のりがたくさん用意されていて、そこにもっとよい道があるかもしれません。

対策としては、一つの道に固執することなく、その時々の状況を折り込みながら、その時一番いいと思える道のりを選ぶようにすること。初めは不安に感じるかもしれませんが、結果的に可能性を広げることにつながります。

理由5 数値にこだわりすぎる

理由3で「計画は具体的で明確な行動に」と書きました。「前年比売上110%」など、「数値」で表すのも有効、というのも、よくある方法です。

もちろんそれはいいことなのですが、数値にこだわり過ぎると理由4のようなことが起こったり、やる気が逆に削がれてしまうなんてこともあり得ます。

そもそも「数値」とは「ゴールの目安」です。ゴールへの「進み方」やそのゴールが「どんな状況」なのかには一切触れられていません。

同じゴールに向かうのでも、遠回りでもマラソンがいい人もいれば、険しいけれど山を登ってショートカットするのがいい、という人もいるでしょう。ごく平たく言えば「どうせゴールが同じなら、楽しくやったもん勝ち」なのです。いくらゴールまでの最短最速で行けるからといって、自分が苦手で辛いばかりの計画を立てても、うまくいくはずがありません。

また、ゴールした先には、数字では見えない喜びや楽しさがあるはずです。そして、その喜びや楽しさは人によってさまざまなはずです。数値を追い求めるあまりに、そこまでの道のりで自分をすり減らしてしまい、ゴールできなくなってしまったのでは、本末転倒ですし、求めていたものがそこにはなかった、となったら、なんのためにそれまで頑張ってきたのか分かりません。

数値にこだわりすぎてしまう、という場合の対策として「どんな方法でそのゴールへ向かいたいのか」「そのゴールでどんな気持ちや状況を手に入れたいのか」を、計画に織り込んでみましょう。

「ラクをしてはいけない」「難しいことにチャレンジすべき」と思わず考えてしまう人は、もう少し肩の力を抜いて、他の方法にも目を向けてみることをおすすめします。

大切すべきは「価値観」

目標や計画通りにいかない5つの理由とその対策について解説してきましたが、もっとも大切なのはそこに「楽しさ」や「嬉しさ」があるかです。

目標や計画の先に、自分なりの「楽しさ」が待っているのか、それを実行することで「嬉しい」気持ちになれるのか、それをはっきりさせることです。

「楽しさ」というのは自身の「価値観」に基づきます。「価値観」とは「自分がなにを大切だと感じているか」ということ。

なかなか自分では分かりにくいものですが、この「価値観」こそが自分を動かす力なのです。これをないがしろにすると、動くための力が供給されなくなります。つまり、行動ができなくなって当然なのです。

その人本来の「価値観」はその人の「第1視点」にあります。「第1視点」とは「自分の視点」です。自分軸や自己肯定感なども、この視点の範囲です。

自分の「第1視点」を明確にし、しっかり作り上げる過程でも「価値観」はとても重要な位置を占めます。

しかし、普段、相手の視点である「第2視点」や、社会の視点である「第3視点」にいる人は、そもそも自分の「第1視点」に移動することが難しいため、自分本来の「価値観」を見誤りやすくなります。

「目標や計画を立てて、実行するのは苦手じゃない、でもそれが自分が本当にしたいことなのか、といわれるといつもモヤっとする」といった場合は、間違った「価値観」のまま、目標や計画を立ててしまっているかもしれません。

まとめ

【課題】
目標や計画を立てたのに、なぜかうまくいかない

【理由と対策】
(理由1)「やりたくないこと」が目標になっている
(対策)眼の前の「やりたくないこと」を未来の「やりたいこと」につなげる

(理由2) メリットがぼんやりしている
(対策)具体的なメリットを言葉にしてたくさん出す

(理由3)計画が「気持ち」になっている
(対策)具体的で明確な行動が取れる文章にする

(理由4)綿密すぎる
(対策)一つの道に固執せず状況に合わせて道を選ぶ

(理由5)数値にこだわりすぎる
(対策)自分が得たい状況や気持ちを織り込んだ目標や計画を立てる

【根本的な問題】
やりたいこと、それを実現する方法は、自分の価値観に沿ったものでないと、うまくいかなくなることが多い。「第1視点」を理解することは自分の価値観を明確にすることでもある。「第2視点」や「第3視点」に普段いがちな人は要注意。

田代 真理
Mari Coaching Room 代表
メンタルコーチ。コーチ歴15年、手帳歴18年。「3つの視点」にフォーカスした自分と周囲を変革するための独自メソッド1on1プログラム「3つの視点コーチング™」と手帳を使ったセルフコーチング・自作テンプレート「大人が整うノート」を提供中です。
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