「3つの視点コーチング™」は、人が持つ「3つの視点(第1視点、第2視点、第3視点)」にフォーカスした、自己変容や周囲の環境を変革するためのプログラムです。
この3つの視点の大きさのバランスや、視点そのものの質や状態を整えていくことで、「自分」の才能や魅力、能力を最大化し、その上で、目の前の人や社会でそれらを最大限に発揮することができるようになります。
そのためには、それぞれの視点にどのような特徴があるのかを、理解し体得することが必須です。
今回は、それぞれの視点の特徴について詳しく解説していきます。
「3つの視点」を簡単にまとめると?
視点とは「その人のものの見方、考え方の基準、大切にする物事、優先する目安」などのことです。
ひとそれぞれ様々な視点を持っていますが、大きく分けると3つになり、これが「3つの視点」です。
3つの視点とは「自分の視点=第1視点」、「相手の視点=第2視点」、「社会の視点=第3視点」になります。
では、それぞれの視点について見ていきましょう。
第1視点を例えると「ジャイアン」
第1視点=自分の視点です。
特徴をひとことで表すと「子供」です。
自分の中のすべての活動エネルギーを生み出している視点になります。
すべての視点の土台で、ここがしっかりしていることで、他の視点が活きていきます。
生まれたばかりの子供は自分の欲求や感情を、泣いたり笑ったりという行動で表します。
ただただ、自分の欲求、感情、感覚、そういったものが優位に立つ視点です。
小さな子供と大人では、全く同じではありませんが、この特徴から、第1視点にいる人は、周りに次のような印象を抱かせることが多いです。
第1視点の良い面が出る場合は、
エネルギッシュ、信念や夢に忠実、感情表現が豊か、個性的、カリスマ的、自分軸がしっかりしている、創造性がある、勇気がある、感覚的、無邪気、スケールが大きい
などと評価されます。
悪く出る場合は、
押しが強い、傲慢、感情のコントロールが下手、自分勝手、話を聞かない、独善的、話が分かりにくい、言葉が独特、他人を振り回す
などと思われやすいです。
「あの人のようになりたい!ついていきたい!」と思う人もいれば、「どうしても好きになれない…」という人もいる、好き嫌いがはっきり分かれるタイプであることも多いでしょう。
有名なキャラクターで例えると、ドラえもんのジャイアンです。
アニメのジャイアンは、いつものび太に理不尽な要求をしますが、映画になると途端に男気あふれるいいやつになったりします。
「お前のものは俺のもの、俺のものも俺のもの!」という名言がありますが、これも、言葉ヅラだけだと傲慢でわがままな発言に思えます。
しかし、このセリフの使われた状況を加味すると、ただ「感情のコントロールが下手で、言葉の選び方が下手」である、と言えます(興味のある方は検索してみてください)。
エネルギッシュで素直で可愛らしい反面、付き合うことに疲れてしまったり、イライラしてしまうこともある、第1視点はそんな「子供」の視点なのです。
第2視点を例えると「母親」
次は、第2視点=相手の視点です。
第2視点の特徴をひとことで表すと「母親」です。
人との関わり、コミュニケーションで必須の視点となります。
人間である以上、他者との関わりを避けて通れません。
その関わりの中で成長する視点です。
第2視点は、眼の前の人にいる第1視点、とも言えます。
ですから、人の数だけ第2視点は存在します。
第2視点が良い方向に働くと、
思いやりがある、共感できる、味方、安心感がある、面倒見がよい、優しい、人間関係の円滑油
など人と接するときに相手に好ましいコミュニケーションをとることができます。
反対に、悪い方向に働くと、
気が弱い、依存的、他人に振り回される、見返りを期待する、自分で決められない、自分を粗末にする、気苦労が多い、粘着質、おせっかい、心配性
など他者への関わりの距離感がとれなくなり、自分と他人の区別をつけにくくなります。
第2視点は「母親」をイメージするとよいかもしれません。
もちろん、人それぞれ母親像は違いますので、あくまでキャラクターとしての母親を想像してください。
子供のことを思い、自分のことを後回しにして子育てや家事をする、子供や夫のことを第一に考える、優しく、安心できる存在である。
しかし、これは行き過ぎてしまえは、子供に過度な期待をかけてしまったり、過保護になってしまうことにも繋がります。
夫の言いなりで、自分で物事を決められなくなったり、「こんなにもやってるのに!」と、不満を募らせることもあります。
第2視点は、優しく穏やかで、付き合いやすい人柄である一方、他人の顔色を窺いがちだったり、誰かに追従して場をやりすごしたりと、「自分がない」と思われやすい視点です。
第3視点を例えると「AI」
最後に、第3視点=社会の視点です。
第3視点の特徴をひとことで表すと「AI(人工知能)」です。
他の視点が主観的であるのに対し、この視点は客観的、俯瞰的で知能が発達した「ヒト」という動物らしい視点といえます。
物事の本質を見抜く、抽象化するなどが得意な視点です。
自分の第1視点、眼の前の特定の人物の視点が第2視点であるのに対して、それらすべてが一般化された視点です。
過去から蓄積された知識や情報、そこから生まれたルールや数値などを活用できる視点になります。
第3視点が良い方向に働くと、
知識が豊富、情報収集に長けている、客観的、分析的、器用、冷静、自主性が高い、効率的、社会的に有能
などという特徴が現れます。
逆に、悪い方向に働くと、
冷淡で情に疎い、即決できない、無感動、頭でっかち、人を見下す、アドバイスしたがる、自己開示できない、熱意がない、完璧主義、小さくまとまる
などの特徴が現れます。
第3視点は「AI」に例えることができます。
昨今の「AI」目覚ましいものがあります。
膨大な量の知識や情報を網羅し、問題に対して一番適切な解答を用意できます。
しかし、そこには「感情」は加味されていません。
いくらそれが最適解だとしても、納得できるかどうかは別の問題になります。
第3視点は、その有能さから社会的に高い評価を受ける視点ではありますが、行き過ぎると、感情が乏しくなり、自分のことも他人のことも軽く扱う傾向が現れてきます。
視点の一番良い状態とは?
それぞれの視点について特徴を解説しましたが、どの視点も一長一短で、それぞれが補い合っています。
つまり、3つの視点すべてがバランスよく、かつ、良い面が出ていることが、一番よい状態です。
しかし、視点そのものの特徴として「自分がどの視点にいるのか無自覚」で「視点の移動は無意識」に行われています。
そのため、自分の得意な視点にいがちになり、その視点が大きくなっていきます。
その結果、どんどん視点のバランスが崩れてしまい、問題や不調が起きたときには「どうしてこの状態になってしまっているのか」すら、理解できないといった状態になります。
まとめ
それぞれの視点の特徴について詳しく解説してきました。
もし、あなたの周りに「仕事もできて、人とのコミュニケーションもうまくて、かつ自分の好きなこともやっていて、いつも楽しそうで幸せそう」という人がいたら、その人はさまざまな経験を重ねて、3つの視点のバランスを感覚的に取ってきた人の可能性が大きいです。
自分がどの視点にいるのか、どんなタイミングで視点の移動が起きるのか、それを認識できるようになるだけでも、自分や周囲が変化します。
また、自分の視点のことが分かるようになってくると、自然と他人がどの視点にいるのか分かるようになり、コミュニケーションが楽にできるようになります。
3つの視点の特徴を詳しく解説してきましたが、自分や周囲の人の視点について、一度考えてみると、見えてくるものがあるかもしれません。
自分の視点のバランスが崩れているな、と感じたら