「やりたいことが分からない…」の根本的な原因3つとその対処法

この記事はこんな人におすすめ
  • 自分のやりたいことが分からない
  • 夢や目標が見つからない
  • 自己分析が苦手
  • ウィッシュリストがうまく書けない

「あなたのやりたいことはなんですか?」

会社の面接や上司との面談の他、ビジネス本などでよく問われる質問ですが、あなたは即答できるでしょうか。

「遊びに行きたい」「痩せたい」「寝たい」など、生活の中でのやりたいことなら思い浮かんでも「仕事で達成したい」「人生で成し遂げたい」など大きな目標や夢となると、よく分からない、という人が大半です。

「やりたいことがあったほうがいいようだ」と漠然と感じていても、それを見つけて言葉にできないといった人も多くいます。

絶対に「やりたいこと」がなければいけないと筆者自身は思いませんが、あったほうが毎日が楽しいし、充実するのは間違いありません。

今回は「やりたいことが分からない」理由とその対処法について、解説します。

目次

「やりたいことが分からない」3つの状況

「夢や目標が見つからない」

「自分のしたいことが分からない」

「ウィッシュリストが書けない」

これらの問題を抱えて私のコーチングセッションに来られる方も多くいますが、ひとことに「やりたいことが分からない」といってもその状況は様々です。

「やりたいと思えることが見つからない」

という人もいれば

「やりたいことのはずが、いつのまにかやるべきことになってしまう」

という人もいますし

「そもそもやりたいという気持ちがわいてこない」

という人もいます。

まずはここからトライ!

「やりたいこと」というのは、簡単に言ってしまえば「自分を動かすエネルギー=原動力」です。

「やるべきこと」や「やらされていること」でも人は動けますが、そればかりだと、どんどん疲弊していきます。

かといって「自分が本当にやりたいこと」と急に言われても、なかなか思いつかないものです。

まずは「自分はどうしたいのか」と、自分と向き合うことから始めなければなりません。

とはいえ、それが難しいんですよね。

コーチングセッションなど人の手を借りると思いの外、簡単にできるのですが、まずは自分でなんとかしたい、という人は「ウィッシュリスト」をぜひ一度やってみてください。

こちらの記事で、私がセッション中に実際に取り入れている方法をもとにした、自分のやりたいことや願いをたくさん出せるようにするヒントをご紹介しています。

一度やってうまくいかなくても、何度かやっているうちに慣れてできるようになっていますので、トライしてみてください。

それでも

  • うまく出てこない
  • 数は増やせたけど内容に満足がいかない
  • 書いたけど心が満たされた感じがしない

という場合は「やり方」ではない根本的な原因が隠されていることがありますので、そちらを確認してみましょう。

やりたいことが分からない根本的理由3つ

「やりたいことが分からない」には先述したように

  • やりたいと思えることが見つからない
  • やるべきことになってしまう、心が満たされない
  • やりたいという気持ちがわいてこない

という大きく分けて3つの状況が考えられます。

それぞれについて、根本的な理由をそれぞれ見ていきましょう。

パターン1.「やりたいと思えることが見つからない」…知識量が足りない

若い人や社会経験が少ない人に多いのですが「やりたいことが分からない」というより「やりたいことが見つからない」という場合です。

これは、ただ単に知識量が足りていないことが原因です。

「知らないこと」は選ぶことすらできませんから、まずはその範囲を広げるべきです。

ここでいう「知識量」というのは、「形式知」(文章や数値として表現し伝達できる形式の知識)だけでなく「経験知」(経験したことで得た知識)も含みます。

「百聞は一見にしかず」といいますが、実体験から学んだことには、感情や思考が伴います。

それもまた知識のひとつです。

「やりたいことが見つからない」と言う前に、仕事やプライベートで目の前に出てきたことをかたっぱしから全力で取り組むほうが、結果的に「本当にやりたいこと」にたどり着けるでしょう。

また「量は十分探しているけれど見つからない」という場合は、その探し方に「偏り」がある場合があります。

「やりたいこと」と聞くと、どうしても「自分の興味のあること」と捉えがちです。

それ自体は間違っていないのですが、その興味の対象が、知らずしらずのうちに限定されていることがあります。

一言で言うと「興味がない」と意識から切り捨ててしまっているのです。

人間は自分が関心がないことを認識できません。

目の前に存在していて、目に見える状態にあっても、それが情報として入ってこないのです。

例えば、子供が生まれるとやたらと他の子供の姿が目に入ってくる、新しい車を買ったら同じ車種の車が町中に増えたような気がする…そういう経験はないでしょうか。

以前からその状態だったにもかかわらず、ある日を境にそう思ったなら、それはその状況を情報として脳が認識できるようになったということです。

今現在の「自分の興味のあること」以外の情報をより好みせず、できるだけたくさんインプットすることで、興味の偏りを減らし、本当に自分の興味のあることを見つけることができます。

今まで行ったことのない場所や、世代の違う人に会って話を聞いてみるのもおすすめです。

パターン2.「やるべきことになってしまう、心が満たされない」…「自分」の目線でない

「やりたいことを考えてみたけれど、やるべきことになっている」

「やりたいことはそれなりにあるし、やっているのに、ワクワクしたり、心が満たされる感じがしない」

ウィッシュリストを書いてはみたけれど、全然やる気が起きない、むしろ、タスクが並んでいるようでうんざり…。

仕事に家庭にやることがとにかく山積みである人や、責任感や義務感が強い人はこの状況に陥りがちです。

この場合は、やりたいことの主語が「私」ではなく「誰か」になっていないか、確認してみてください。

例えば「子供を〇〇に連れていきたい」など、一見、自分の願望のように見えるけれども、実はそうではない、といったことです。

特に、第2視点の方にこの傾向が多く見られます。

「ひとりでもそこに行きたいですか?」と聞くと「私はそうでもないんですけどね…でも、子供が喜ぶから…私も嬉しいし」

という答えが出てきたなら、それはもともとは「自分」の願望ではなく「子供」の願望です。

また、特定の「誰か」でなくとも「会社」や「常識」、「前例」など、周りから期待される「そうあるべき姿」でも同じことです。

「そうあるべき姿」と「そうありたい自分」は違っていて当然です。

そこに気づけているでしょうか?

「自分」でない「誰か」の願望を、あたかも自分のそれであると、同一化してしまうことはよくありますが、それが続くと「自分は本当は何がしたかったのか」分からなくなってきます。

誰かの望みを叶えるのは、自分が満たされた状態でないと難しいものです。

自分を満たす、というのは「自分の願いを叶える」ことですので、「自分でない誰か」の目線にいる限り、いつまでたっても、自分を満たすことはおろか、誰かの望みを叶えることもできません。

「自分ではない誰かが〇〇になった結果、私は嬉しい」

「周りから期待されるそうあるべき姿を手に入れて結果、私は嬉しい」

といった、他人を介した二次的産物の「やりたいこと」は、十分に自分が満たされた後に行えば十分ですので、まずは「自分だけで」できるものを探してみましょう。

パターン3.「やりたいという気持ちがわいてこない」…感情が動かない

「やることのタスク化はとても得意」

「やってきたこともたくさんあるし、それなりの成果も出た」

「まだやってないけど、やったらきっとできる」

「でも、それが本当にやりたいことか、と言われたらそうでもない…」

私のセッションを受ける方で、一番多いのがこのパターンです。

周りが聞くと「なんて贅沢な悩み!」と言われてしまいそうな内容ですね。

こういった方は、実際に能力も高く器用なので、本当にいろんなことができてしまいます。

悪く言えば、いわゆる「器用貧乏」で、ひとつの物事に熱中する、没頭するということが苦手、と自分を評価する人が多いんですね。

また、向上心も合って、ご自身で勉強されている方も多く、「ウィッシュリスト」も一度は書いたことがある、という人がほとんどで、実際、パッと見、問題なく書けています。

しかし、その内容を「本気で」やりたいと思っていない、ということを自分が一番良く分かっているので「こんなものだよね」と突き放して見ていたりします。

このタイプの「やりたいことが分からない」は「やりたいという気持ちがわいてこない=やりたい」という「感情」が分からない」です。

「感情が分からない」といって、ピンと来ない人もいると思うのですが、分かる人にはものすごく分かる感覚のはずです。

「やりたい」と思うとき、またはそれを実行したとき、人は「ワクワクして楽しく」なったり「ドキドキして興奮」したりします。つまり「感情」がどうしようもなく動くのです。

しかし、その人のそれまでの生活環境や生き方、考え方で、その「感情」をうまく動かすことができない、もしくは動いていても、それを感じ取ることができなくなってしまってしまうことがあります。

この傾向は思考優位の第3視点の人に顕著です。

この3つのパターンの中で最も自分で治すのが難しいところになります。

これを治すには「自分の視点」である第1視点を取り戻すのが、手っ取り早く効果が出ます。

実際に、私のセッションでは、まずこの視点のバランスを見て、視点を第1視点に戻すワーク(誘導瞑想)をします。これだけで、「本当にやりたいこと」が分かる人が多いですし、その後の行動や考え方に良い影響を及ぼしていきます。

感情が動かずやりたいことが分からない人は、まずは自分の「感情そのもの」に注目することから始めてみましょう。

第2視点、第3視点って?と思ったらこちらの記事を読んでみてください。

視点を第1視点に戻すワーク(誘導瞑想)について

まとめ

【課題】
「やりたいことが分からない」

やりたいことは「自分を動かすエネルギー=原動力」。あったほうが毎日が楽しい。
まずはウィッシュリストを書いてみる。

【問題】
・やりたいことが見つからない
・やるべきことになってしまう、心が満たされない
・やりたいという気持ちがわいてこない

【原因】
「やりたいことが見つからない」…知識量が足りない
「やるべきことになってしまう、心が満たされない」…「自分」の目線でない
「やりたいという気持ちがわいてこない」…感情が動かない

【対策】
「やりたいことが見つからない」…知識量が足りない
→目の前に出てきたことをかたっぱしから全力で取り組む、 探し方に偏りがないか確認する

「やるべきことになってしまう、心が満たされない」…「自分」の目線でない
→主語が「私」ではなく「誰か」になっていないか、「そうあるべき姿」と「そうありたい自分」が混同していないか確認する

「やりたいという気持ちがわいてこない」…感情が動かない
→それまでの生活環境や生き方、考え方で、その「感情」をうまく動かすことができない、もしくは動いていても、それを感じ取ることができなくなってしまっているので、感情そのものに注目する

田代 真理
Mari Coaching Room 代表
メンタルコーチ。コーチ歴17年、手帳歴20年。「3つの視点」にフォーカスした自分と周囲を変革するための独自メソッド『3つの視点コーチング™』で、個人セッション、講座、法人社外コーチとして活動。手帳を使ったセルフコーチング・自作テンプレート『大人が整うノート』を提供中。
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