頑張っても結果が出ない…それって実は無駄な努力かも?「結果が出る努力」と「無駄になる努力」の違いと原因

「今の自分を変えたいと思って頑張っているのになかなか結果が出ない」…そんな状態はつらくて焦ってしまうものですね。そんなときは、もしかすると無駄な努力を続けてしまっているかもしれません。

今回は、「結果が出る努力」と「無駄になる努力」の違いと無駄になる努力の原因について解説していきます。

目次

努力すれば結果が出る場合

努力しているのに結果がついてこない…本当につらいし、焦りますよね。

「努力すれば結果はついてくる!」という人もいて、それが正しい場合もありますが、そうでない場合もあります。

そもそも「努力している」という状態をどう捉えるかにもよるのですが、「努力する=量をこなす」という意味で使われていることが多いようです。例えば「練習する」「機会を増やす」「継続する」といったことで結果が出ることなら、努力は結果につながりやすいでしょう。スポーツだったり、語学学習であったり、ダイエットだったりです。

これらは「量」が「質」に転換する場合です。つまり、ある程度の期間「行動を続けることによって」結果が出るものです。こういった場合は、行動と結果の間にタイムラグがあります。つまり、結果はいつか出る、その「いつか」がまだ来ていないだけ。ということになります。

努力しても結果が出ない場合

一方で、時間が経ってもなかなか結果につながらない、そういった場合もあります。

1,「理想の結果」を出すことにこだわりすぎている

そもそも「練習」だとか「継続」だとか、それ自体が楽しいものではない、ということが多く、だからこそ「努力」という言葉がついてまわるような気がします。

「好きこそものの上手なれ」なり「下手の横好き」なり、そこには「努力」より「楽しみ」のニュアンスが強くありますよね。自分が楽しい、ワクワクしていることをやっていただけで、気づけはそれなりの時間が経っていた、という感じ。上手だろうが下手だろうが、結果はあまり気にしていません。

「頑張っているのに努力が報われない」という人は、もしかすると「これだけ大変な思いをしているのだから、自分が望む通りの結果が出なければおかしい!」と、心のどこかで思ってはいないでしょうか。

結果はあくまで「結果」です。自分がコントロールできるものではありません。自分が理想とする結果に縛られていると、得たはずの結果を過小評価しがちになります。また、そこから学ぶことができたはずのことや、軌道修正の機会を失います。結果「いつまで経っても結果が出ない」ということになるのです。

2,努力することが目標になっている

それとは逆に、「努力していることが目標になっている」場合もあります。

例えば、仕事なら、結果を出すことが目標ですし、大学受験なら、合格することが目標です。そこまでの経緯がどれだけ素晴らしくとも、当日に体調を崩してしまったとしても、関係ありません。結果が全てです。

営業の仕事なら、「契約を取ること」が目標です。毎日アポイントを10件取ったとしても、1件も契約できないなら、そのアポイントをどれだけ頑張って取ったとしても、意味がありません。

量が質に変わるのなら良いですが、1件のアポイントをいかに契約につなげるかの行動を考えて、実行したほうが良いでしょう。

努力している自分は、他人から認めてもらいやすいですし、自分も安心できるかもしれません。しかし、それは「結果が出る」つまり、量が質につながることが前提としてあった場合のみに許されることです。そもそもの目標は何だったのか、そしてそこに行き着くために、どうすればいいのか、しっかり見直してみましょう。

3,「行動だけ」を変えようとしている

もう一つのパターンは、「行動だけ」変えようとしているという場合です。

「ダイエットしたい」と思って、「毎日ジョギングするぞ!」と決めても、雨が降ったり予定が入ったりで、できない日が続くと、面倒になって諦めてしまったりすること、ありますよね。

そうするとこう考える人がいます。

「ジョギングできなかった」→「ジョギングだからダメなんじゃ?」→「じゃあ、今度はヨガをやってみるか!ヨガなら家の中でもできるしね!」

ダイエットだけでなく、仕事のやり方だったり、自己啓発だったりも同じです。いろいろなことを試してみては、「どうも違う」と次の方法を探しに行ってしまうために、何も残りません。

方法を変えてうまくいけば問題ありませんが、様々な「目先のやり方」を探して、それにトライすることで「頑張って行動している」ような気持ちになってしまっていると、結果はなかなか出てきません。

計画的に行動できていない、独自のやり方にこだわるといったことも、「目先のやり方」に振り回されているといった意味では同じです。

「行動」を変えるには「行動」にフォーカスしてはいけない

「行動」だけを変えようとしてしまっている場合、その行動そのものを変える必要があります。つまり、行動をいったん止めて、自分にとっての「正しい行動」をしっかりと考えてみる、ということです。

そのために必要なのが、「行動にフォーカスする」のではなく、自分の「感情」にフォーカスすることです。どんな「感情」を得たくて、または避けたくて、自分は行動を起こそうとしているか、ということです。

例えば、世の中には、髪がのびて、髪を切ることのできる状態にあっても、髪を切らない人もいます。もし、髪がのびた、ということが、行動の理由であるのならすべての人が髪を切るはずです。

「髪がのびて、みっともない(はずかしい)から、髪を切る」
「髪がのびて、うっとおしい(イライラする)から、髪を切る」

みっともない(はずかしい)、うっとおしい(イライラする)、というのは「感情や考え」です。人は、外からの「きっかけ」によって、なにかしらの「感情や考え」が生まれ、それを得ようとしたり避けようとする「行動」を起こします。

感情をうまく扱うと行動をコントロールできる

話を戻しましょう。

ダイエットのために、運動や食事制限をしようと思ってもなかなかそれができないときは、結局のところ「感情」がついていっていないことが多いのです。

行動に対して「めんどくさい」とか「お菓子が食べたい」などの、感情が自分の中に芽生えてしまって、その感情が「行動しない」という「行動」を生みます。

自分の感情に気づかないふりをして、方法や環境をいくら変えたところで、結果は同じです。「やらない」行動は「やらない」習慣を作り、結局「行動できなかった」という結果が残り、ますます行動できなくなっていきます。

感情を変える簡単な方法

「感情」を変えることにフォーカスするための、その最も簡単な方法をひとつ、ご紹介します。

例えば、ダイエットなら

「運動がめんどくさい」とか「お菓子が食べたい」なら、ダイエットを成功した自分を想像するのです。「新しい服を買って、それを着たときの自分」でもいいし「やせたね、かわいくなったね」と言われる自分」でもいい。

できる限り具体的に、それこそ「感情」が動くまでやります。イメージの力というのは、馬鹿になりません。眼の前のつらさを乗り越えた後に得られる「プラスの感情」を自分の中に呼び起こしてみましょう

「何のためにするか」という目的と「何をすればいいか」という手段が明確な場合は、この方法はおすすめです。

ですが、これはわりと素直にできる人や状況に制限があり(視点でいうと、第1視点が得意とする方法です)、小手先感のある方法だと私自身は思っているので、できなくてもがっかりすることはありません。

「感情」を考えてみるメリット

実際は「そんなに簡単に感情のコントロールができれば苦労しないよ」というかたがほとんどだと思います。

とはいえ、自分の「行動」が一体どのような「感情」から生まれているのか、ということを、しっかりと考える機会は少ないはずです。

「きっかけ」と「行動」は、目に見えて分かりやすいですが、その間の「感情」は、本人すらしっかりと意識できていないものです。

この「感情」にフォーカスして、考えたり、書き出して見るだけでも、頭が整理されたり、メタ認知能力が向上したりするので、興味のある方はやってみてください。

感情がよくわからない、コントロールできないときは?

行動を変えるためには行動にフォーカスするのではなく、「感情」にフォーカスする、ということを解説してきました。

自分が眼の前のことに対して、どんな感情を持っているのかということを、改めて考えてみることは、行動を変化させやすいだけでなく、頭が整理されたりメタ認知能力が向上するメリットもあります。

「自分の感情がよく分からない」「感情は分かったが、コントロールできない」といった場合は、実はもう一段階、深いところにある「視点」や「価値観」というものが関わってきますので、興味のある方はこちらも読んでみてくださいね。

田代 真理
Mari Coaching Room 代表
メンタルコーチ。コーチ歴17年、手帳歴20年。「3つの視点」にフォーカスした自分と周囲を変革するための独自メソッド『3つの視点コーチング™』で、個人セッション、講座、法人社外コーチとして活動。手帳を使ったセルフコーチング・自作テンプレート『大人が整うノート』を提供中。
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