「あなたの自分らしさはなんですか?」と聞かれて、即答できますか?
「自分らしさを表現したい」自分らしい選択」「自分らしく働く」「自分らしい人生を歩きたい」…「自分らしさ」という表現をよく目にします。
しかし「自分らしさ」と言われても、いまいちピンとこない、いったいどういうものなのかよく分からない、そんな人が大半ではないでしょうか。
今回は「自分らしさとはなにか」について解説していきます
「自分らしさ」の定義
「自分らしさ」と言われても…という理由のひとつに、この言葉の定義が曖昧で分かりにくい、ということが挙げられます。
国語辞典などで調べてもこの「自分らしさ」という項目はないそうです(全部を調べたわけではないので、掲載されているものもあるかもしれません)
「自分」は分かります。
「らしさ」もまあ、なんとなくですが分かります。
「らしさ」とは、そのものの特徴がよく出ていること、といったような意味です。
ですので「自分らしさ」とは「自分の特徴がよく出ていること」ということになります。
はい、結局よくわからないですよね(笑)
そもそも「自分とは何か」というある意味、哲学的な問題になりそうです。
とはいえ、そんなことを言っていてもしょうがないので、ここでは「自分」を定義してみます。
「自分」をひとことで定義してみる
「自分」をひとことで言ってしまうと
「素質+価値観+環境」です。
自分=素質+価値観+環境
つまり「素質+価値観+環境」の特徴がよく出ていること=「自分らしさ」ということになります。
「なんのこっちゃ」だと思うので、ひとつずつ、説明していきます。
素質
「素質」とは「生まれ持ったもの」のことです。
肌や髪の色とか、遺伝子レベルの話ですね。
基本的には「自分では変えられないもの」になります(現代技術で変えられるものもあるかもしれませんが)。
目に見える特徴の他に「才能(生まれつきの能力)」も含まれます。
足が速いとか、絵がうまいとか、味覚が敏感とか。
感受性が高いとか、正義感が強いとか、わかりにくいものもあります。
子供の頃に「何の努力もしなくても人よりうまくできた」とか「周りの子に比べるとその特徴が強かった」ことなんかがそうです。
ちなみにこの素質には「良い悪い」はありません。
「あるかないか」です。
少しでもあれば「素質」です。
それがどのくらい豊か(量)とか、発揮されているか、なども関係ありません。
環境
「環境」も分かりやすいと思います。
自分の周りのことすべてですね。
時代や、土地、家系、関わる人、今までそして今いる場所、といったことです。
「環境」は「自分では変えられないもの」と「自分で変えられるもの」に分けられます。
生まれてきた時代や家、家族などは変えようがありません。
関わる人や場所は、自分で選べることもあれば、選べないこともあります。
過去と現在、どちらの環境も含みます。
価値観
そして「価値観」。
これは簡単にいうと「自分が大切にしているものやこと」のことです。
そしてこれは「素質+環境」により生まれます。
「素質」が「環境」に出合ったとき、そこに「価値観」が発生します。
例えば「足が速い子が運動会のかけっこで1番になった」としましょう。
ここでの素質は「足が速い」です。
そして環境は「運動会のかけっこで1番になった」です。
そこで、家族や周りの人が「すごいね!がんばったね!」と言ってくれたとします。
すると「足が速いと、みんなが喜んでくれるし、自分は嬉しい=足が速いことはいいことだ」という価値観が生まれます。
もう一例。
勉強が得意な子供がいて、テストで98点を取ったとします。
しかし母親に「そんなの当然。というかなんで100点じゃないの?」と言われてしまった。とします。
ここで子供には「100点でなければいけないのだ」という価値観が生まれます。
これが繰り返されると「100点を取れない自分はダメなのだ」という価値観も出てきたりします。
素質と環境と価値観の関係
生まれ持った素質は、環境と価値観によって大きくその発揮を左右されます。
例えば、ものすごい数学の才能があったとしても、教育を受ける環境がなければ、それは見出されることも、伸ばされることもありません。
偏った大義を教えてこまれて育った正義感の強い人は、間違った正義感のつk
さまざまな環境でさまざまな体験をすることで、価値観は変わります。
ですので、歳を重ねればそれだけ、自分の中の「素質」が占める割合よりも「環境」や「価値観」が占める割合のほうが多くなるのです。
自分を分解してみよう
「自分らしさ」がよく分からないときは「自分」を「素質」「価値観」「環境」に分解して、考えてみてください。
初めは分かりやすいものからで大丈夫です。
目に見える素質であったり、今の環境や、過去の環境を遡ってみたり。
素質は自分ではわかりにくい場合もありますので、家族や親しい友人に聞いてみると、自分では思わなかったものが見つかったりします。
環境を書くと、その時の体験が思い出されるはずです。
そこから自分が得たものや学んだことを書いていくと「価値観」にたどり着きやすくなります。
ただ、この価値観を意識するのは、初めは難しく感じると思いますので、焦らなくて大丈夫です。
「自分らしさ」とは「自分の特徴がよく出ていること」ですので、見つけた「素質」「価値観」「環境」が、あなた自身、ということになります。
まとめ
「自分らしさ」=「素質+価値観+環境」の特徴がよく出ていること、でした。
「素質」「価値観」「環境」が明確に言葉にできると、自分を認めることができ、自分に自信が出てきたり、自分に優しくできるようになったりします。
もし、見つかった「自分らしさ」が、腑に落ちなかったり、受け入れがたいものであったら、それは「変える」ことができるものなので、安心してください。
「素質」は難しくても「価値観」や「環境」は、自分で変えることができるもの。
そして、歳を重ねるに連れ、「自分」を構成する要素は「素質」よりも「価値観」や「環境」の占める割合が増えていきます。
変えるのには今からでも全然遅くないし、ずっと変わり続けることができる、ということです。
ぜひ「自分」を分解して、「自分らしさ」を見つけてみてください。
自分のことを考えるには「メタ認知」が必要。「自分をもっと詳しく知りたい、変えたい」なら