年末になると「今年のヒット商品20」や「今年話題になった人」「今年の10大ニュース」などの1年の総まとめ、のような話題を連日見かけます。
私が子供のころの冬休みの日誌には、「我が家の5大ニュース」というページがありましたが、年末年始に1年の振り返りをする、という人も多いのではないでしょうか。
1年の締めくくりでなくとも、さまざまなタイミングで振り返りをしてみると、ぐっと人生が豊かになります。半年や四半期のタイミングで振り返りをすると、軌道修正ができて、目標の達成もしやくすなります。
今回は、「振り返りシート」を使った、誰でもかんたんに、人生の質を上げて幸せになる上手な「振り返り」の仕方を解説します。
振り返り、上手にできてる?
普段、仕事で振り返りをしたり、フィードバックを受ける機会がある人もいるかもしれませんが、プライベートで振り返りをする、という人は、案外少ない気がします。
そもそも「振り返りをしよう」と言われても、あまりに漠然としていて、何をどうすればいいのか分からない、という人の方が多いのではないでしょうか。
ぱっと思い出せるような大きなことがあれば別ですが、ほとんどが
「あっという間に過ぎたなあ」
「まあ、よかったんじゃないかなあ」
といった、ぼんやりとした感想で終わってしまいます。
それはそれでいいことだと思うのですが、どうせなら、過ごしてきた日々が充実したと実感できて、さらにこれからの未来がよりよいものになるような「振り返り」ができたらいいと思いませんか?
振り返りをするにはまずは〇〇が必要
振り返りをするには、まずは「思い出すこと」が不可欠です。
振り返る時間が過去であればあるほど、どうしても忘れていることが増えてきます。「1年」とひとことで言っても、つい1ヶ月前のことと12ヶ月前のことを同じように思い出すことはできません。
過去のことを思い出し、振り返りに活かすには、なにかの「きっかけ」が必要です。
人は「きっかけ」があることで、さまざまな記憶を呼び起こすことができます。日記や手帳、写真などがあれば、それを見返すこともできますが、そうではない人は、記憶から呼び起こしてくることが必要です。
また、ただ「こんなこともあったなあ」と懐かしく日記や手帳を見返したり、思い出したりしただけでは、振り返りではありません。
なぜなら、振り返りとは「過去の自分の言動、内面、環境など客観的に見返して、これから(未来)をどうしていくかを決めること」だからです。
なんだか急に難しく感じてしまったかもしれませんが、そこは「やり方」があるので、それにそっていけば大丈夫。
「きっかけ」と「やり方」この2つがそろって、「振り返り」ができるようになります。
さっそく、その振り返りをしてみましょう。
振り返りシートの使い方
あとはペンと紙、もしくはスマートフォンやパソコンなど自分が楽に書けるものを用意しましょう。
下記からPDFデータをダウンロードできます。
この振り返りシートには、たくさんの「きっかけ=キーワード」が並んでいます。
振り返りシートを使った振り返りは以下の順番で進めます。
- 振り返る期間や、物事を決める
- カテゴリを選ぶ
- お題を選ぶ
- 思いついたことをとにかく書く
- 書いたものを見返す
- 次の自分の行動を決める
では、「やり方」を順を追って見ていきましょう。
1.振り返る期間や、物事を決める
まずは、1週間、1ヶ月、半年、1年など、振り返りたい期間を決めます。プロジェクトや目標などの物事についてでも構いません。
まずは、1日など短い期間で、ちょっとした空き時間にやってみて、要領をつかんでみましょう。
期間が長くなればなるほど、内容も増えるはずなので、ある程度の振り返りの時間を確保して、落ち着いて取り組みましょう。
2.カテゴリを選ぶ
次に「カテゴリ」を選びます。
「カテゴリ」とは、振り返りをしたいものごとの「範囲」のことです。
人間の脳は、ある程度制限がある方が想像力が働きます。「なんでも好きなことを自由に」と言われると、何も浮かばなかったりしますよね。
振り返りシートには8個のカテゴリがありますので、どれかひとつ選ぶだけです。
もし、他のことが思いついた場合はそれでも構いません。
3.お題を選ぶ
カテゴリが決まったら、今度は振り返る「お題」を決めます。
振り返りシートには「できごと」「こころ」「ひと」「もの」についてそれぞれ10~30個程度の「お題」があります。
頭から順にやってもいいですし、ざっと見て目に止まったものでもOKです。
4.思いついたことをとにかく書く
「カテゴリ」と「お題」が決まったら、あとはそれについて振り返りを始めましょう。
例えばカテゴリが「仕事のこと」で「できごと:成功したこと」について思い出しながら書いてみます。
書き方のコツは以下のとおりです。
- 時系列を気にせず、思いついたことをそのまま書く
- カテゴリやお題から外れても気にしない
- その時の感情や考えも書く
- 周囲の人や環境のことも書く
はじめにパッと頭に浮かんできたことからどんどん広げていく感じでやってみましょう。
カテゴリやお題はあくまで「きっかけ」に過ぎませんので、「成功したこと」から「失敗したこと」が思い出されたのなら、それで構いません。
そのときの自分の感情だったり、どんな考えを持ったかなども、思い出せたら書いておきましょう。
自分だけではなく、その時の周囲の状況についても同様です。
例)
成功したこと:自分で勉強会を企画して実行できた
当日はとても緊張したし、不安だった
けど、準備にすごく時間がかかって大変だった
参加してくれた人は「よかった」と言ってくれた
資料がもっとちゃんとしたものを用意したかった
一人でやるのは大変
5.書いたものを見返す
ある程度書き出せたら、一旦手を止めて、書き出したものを眺めてみましょう。
振り返りは「客観的に」行うことがポイントです。
渦中にいるときには見えなかったことが、今だから分かる、ということもあります。
良かったこと、これからも続けたほうが良いことなどのプラス面、改善すること、やめたほうがいいことなどのマイナス面、どちらもあるはずです。
例)
緊張したけれど、やってみたら案外大丈夫だったので、次はもっと落ち着いてできそう
準備の時間をもっと短くしたい
でも、資料はもっとちゃんとしたい
6.次の自分の行動を決める
振り返りでもっとも大切なことは「次の自分の行動を決める」ことです。
書いたものを見返した時点で、次の行動が思い浮かんでいたらそれでOKです。
もし「次どうすればいいのか見つからない」というときは『振り返りシート』の「質問」を活用してみましょう。
「質問」に答えていくことで、さまざまな視点や角度から考えることができます。
出てきた答えが「自分の行動」になっていないときは「そのためにやることは?」「そのためにできることは?」と自分に問いかけていきましょう。
例)
期待することはなんですか
→もっとたくさんの人が勉強会に参加してくれること
→そのためにできることは?
→参加してくれた人に声をかけてもらうようにお願いする、開催日まで、何度も繰り返しお知らせする
まとめ
「振り返りシート」を使って、振り返りのやり方を解説しました。
慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、継続的に繰り返しやることで、どんどんその効果を実感できるようになるはずです。
ちょっとした空き時間などを使って、はじめて見てくださいね。