雑誌やSNSなどで他の人の手帳を見ると、すごくきれいまとめられていたり、センスが良かったり…。
あんなふうにかけたらいいなと憧れるけれど、私にはとてもできる気がしません。
手帳は誰かと比較するものじゃないニャ。
自分が楽しく書けて、使いやすいのがいちばんニャ。
デジタルツールが浸透した今、スケジュールもノートもメモも絵も、スマホやパソコン上でできてしまいます。
にも関わらず「手書きの手帳」が、ちょっとしたブームになっています。
デジタルツールを使うことが「手書きならではの良さ」にあらためて気がつくきっかけになったのかもしれません。
それゆえ、雑誌やインターネット上には、手帳であったり、文房具であったり、アナログなものの情報を、たくさん見ることができます。
情報がたくさんあるというのは、本来はよいことなのでしょうが、右も左もわからない世界のことだと、一体なにから手をつければいいのかすらわかりませんよね。
情報があふれすぎていて、選べないんですよね。それに、世の中には才能やセンスにあふれているひとが多くって、いいなと思うけど、私にはとてもとても…。
見ていてワクワクする情報にたくさん出会えることは基本的にはいいことニャ。問題なのは「比べてしまうこと」ニャ。
「目を引く情報」に、ひとはどうしてもとらわれがちになってしまいます。
そして概して「目を引くもの」というのは「影響力のあるもの」であったり「よくできたもの」です。
手帳でいうなら「影響力のあるひと」が使っている手帳や、「長年、手帳を使ってきた人」の手帳であることが多いわけです。
その手帳から感じられる「背景」であったり、完璧に仕上げられている手帳の紙面をみて「ああ、これはちょっと自分にはできないな」と感じてしまうのは仕方のないことだと思います。
でもそれは例えるなら、日曜画家がプロの絵を見て、筆を折ってしまうようなものではないでしょうか。
その完成形にいたるまでには、長い年月や人しれぬ労力や、たくさんの試行錯誤があったはずです。
でも完成品から、それらを読み取ることは、とてもむずかしいですよね。
手帳だとできちゃいそうな気がするけど、いきなりプロの領域を求めるのは無理な話ですよね。
熟練度はひとそれぞれだニャ。
プロを目指しているならいざしらず、日曜画家は「絵を描くこと」が楽しみのひとつです。
絵を描くという行為自体や、それに費やす時間が大切なんです。
結果よりもプロセスに意味があるんですよね。
手帳もおなじで、書き終わった紙面の完成度よりも、それを書く過程のなかで、あなたがなにを考え、思い、感じたか、それこそが大切なもの。
誰かのやり方を参考にして真似したり、学んだりするのはとてもいいことですが、プロセスをすっ飛ばして、いきなりそこに到達できると思うのはちょっと違います。
というより書き方の形だけ、上っ面だけを真似したところで、あなたにとってはなんの意味もないのです。
参考にして真似たとしても、考え方も生活環境も違うのですから、全く違うものができてくるはず。
そして、それこそが正しい「あなたの手帳」です。
きれいな紙面を作ることより、書いている過程が大切なんですね。
そのとおりニャ。書き方よりもその書き方が、自分の考え方や思いをいかに引き出してくれるかが大切なんだニャ。
あの人にできることは、あなたにはできないかもしれないけれど、あなたにできることが、あの人にはできないかもしれません。
他人は他人あなたはあなた。
なにをどうしたって結局「あなたらしく」なってしまうのが手帳です。
「でもどうせ書くならあんなふうな素敵な手帳にしたい」と思うかもしれません。
目標があるのは、とても素敵なことです。
でも忘れないでほしいのは、それはあなたの「完成形」では決してないということです。
手帳なんてものはいつまでたっても完成しないもので、「こういうふうに使えば完璧」なんてことはないのです。
手帳はあなたの頭の中そのものです。
完璧になってしまうということは「その先の成長の余地がない」ということと同じ意味です。
人は絶えず変わっていくもので、それに合わせて手帳の使い方も変わります。
他人と比べて、完璧を目指して、自分を追いこむことも、ときには必要でしょう。
でも、人生すべてをそうやって過ごしていくのは、どだい無理なことです。
人生には、いろいろなステージがあり、その時々のスタンスがあります。
手帳とは、どんなときでも、どんな状態でも、そっと自分に寄り添ってくれる「もうひとりのあなた」。
自分らしく、等身大のあなたのままで、手帳は書けばいいのです。
- 「目を引くもの」に惑わされない
- 完成度の高いものには、時間や労力や試行錯誤が隠れている
- 手帳を書く過程のなかで、なにを考えたり思ったり感じたりしたかが大切
- 「自分らしく」なってしまうのが手帳
- 手帳はいつまでたっても完成しない
- 手帳はどんなときもどんな状態でも寄り添ってくれる「もうひとりの自分」
ここに自分は自分、他人は他人。
いつだって、今の自分がサイコーだニャ。
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