しっかりと仕事して、家のこともしっかりやって、できたら今よりももっと、いい感じの自分になりたい。そのためには、まずは健康であること!ですよね。そのためにも、しっかりと休みたい!そう思いながら、実現できずにいませんか?
休みを上手にとることは、現代人にとって必須のスキルと言っても過言ではありません。やる気が出ないでも「疲れ」と「休み下手」について書きましたが、今回は「休むことそのもの」にフォーカスしていきます。
どうせなら「効率的に」休んで、体力も気力も充実させたいですよね。
ターゲットは「身体」と「心や頭」
ひとことで「休む」といっても、さまざまな休み方があります。「休むこと=動かないこと」だと思われがちですが、ときには「運動すること」が「休み」になることもあります。
パソコンやスマホの前で長時間同じ格好をしていたり、移動するにも歩かない現代人は、基本的に運動不足です。身体の疲れ、は「動かしすぎた疲れ」よりも「動かなすぎた疲れ」ですね。
「休むこと」というのは「ストレスを軽減すること」なので、動かないことで身体に与えたダメージを軽減するには、動かすことが大切、ということです。
また、身体だけではなく「心や頭」を休ませることも重要になります。むしろ、現代人にとってはこちらのほうが優先事項。
昔に比べると格段に触れる情報が多くなっていて、それを処理するだけでも、脳はいっぱいいっぱいです。外からの刺激が増えると、それだけ人の「感情」も動きます。普通に生活しているだけでも、昔より疲れやすい環境に、私たちは置かれているわけです。
「心や頭」を休めることを、ないがしろにすると、うつ病や適応障害にもなりかねません。ご自身を含め、部下や同僚、ご家族や友人にも気を配っていただきたいものです。
4つの「休み方」を知る
身体と心や頭を効果的に休ませるには「休み方」を知る必要があります。ここでは、ストレスの予防や緩和に役立つ方法の頭文字をとった「4つのR」といわれる方法をご紹介します。
レスト(Rest)
1つ目は「レスト(Rest)」です。身体的な休息のことで、睡眠やなにもしないで家でゆっくりするなどですね。お風呂で体を温めたり、マッサージで体の疲れをとるのもそうです。
いわゆる日本人が想像しやすい「休み方」で、「消極的な休み方」ともいえます。
もしこれをやっても疲れが抜けないというときは「心」を休ませることを考えたほうが良いです。「心」を休ませるには、以下にご紹介する残りのR、「積極的な休み方」が必要になります。
リラクゼーション(Relaxation)
2つ目は「リラクゼーション(Relaxation)」です。自律神経を休め、心と体のバランスを整えることで、腹式呼吸、アロマセラピー、瞑想・マインドフルネスなどが当てはまります。
女性が大好きなアロママッサージは「レスト」とこの「リラクゼーション」の2つの側面があることになりますね。
犬やネコなどの動物と触れ合うことも、リラクゼーション効果があります。
リラクゼーションで注目すべきは、自律神経です。自律神経は、内臓の働きや代謝、体温などの機能をコントロールしています。昼間や活動しているときに活発になる「交感神経」と、夜間やリラックスしているときに活発になる「副交感神経」の2種類があります。
この交感神経と副交感神経がバランス良く働いていれば問題なのですが、精神的なストレスや肉体的疲労で、このバランスが崩れることにより、さまざまな不調を引き起こします。
「リラクゼーション」を意識的に定期的に取り入れ、自律神経のバランスを整えましょう。
レクリエーション(Recreation)
3つ目の「レクリエーション(Recreation)」は、趣味や遊びを楽しみ、笑ったり泣いたりして感情を解放することで、心身をリフレッシュすることです。
スポーツ、釣り、キャンプ、映画、カラオケ、読書、音楽鑑賞、楽器演奏など、自分が心から楽しめることです。
スポーツなど体を動かすことは、自律神経を整える働きもありますから、「リラクゼーション」の側面も持っていることになります。「本を読む人」と「まったく読まない人」では、「本を読む人」の方が2年近く寿命が長かったという研究結果もあります。
会社や家庭では、いろいろと我慢をしているもの。感情を抑え込みすぎると、感情を感じることができなくなり、いろいろな問題を引き起こします。
最近、笑っていない、感動した覚えがないなどという場合は要注意。体を動かすこと以上に、心を動かすことに注目してみましょう。
リトリート(Retreat)
4つ目は「リトリート(retreat)」。ほかの3つに比べ、耳馴染みがない言葉ですが、日常から離れた空間に身を置き、じっくりと静養することになります。
旅行、リゾート地での保養、森林浴など、欧州型のヴァカンスを思い描くとわかりやすいかもしれません。憧れますよね。とかく日本人は、旅行といってもやれ観光だなんだと、忙しく動いてしまい、逆に疲れてしまうなんてこともありがちですし、そもそも長期休暇が取れないといった事情もあり、なかなか実行が難しいかもしれません。
ここで注目したいのは「非日常感」です。人間の脳は同じことを繰り返していると、どんどん怠けていくという性質があります。
「非日常感」を味わうことは、脳を活性化させ、活力が生まれます。普段、都市に住んでいるのなら自然に触れる、人とあまり話さないなら他人と会話してみる、馴染みの店ではなく新しい店を開発してみる…。
そういった「非日常感」を手軽に取り入れることで、「リトリート」の効果を実感できるでしょう。
質問に答えて分かる「あなたの上手な休み方」
どうでしょうか。ここ最近は、世情もあって、なかなかレクリエーション(Recreation)やリトリート(Retreat)は難しかったですよね。逆に、できなかったからこそ、その効果に改めて思いを馳せた、という人もいると思います。
栄養もバランスが大切ですが、休みも同じようにバランスが大切です。今までの自分の休み方が偏っていなかったか、偏っていたならなにをどのように取り入れるのか考えてみてください。
では、実際にやってみたいという人に向けて、考えやすくなる質問をいくつか。
① やってみたいお風呂の入り方は?
② 家でのんびり、どんなふうに過ごす?
③ マッサージは好きですか?人にやってもらうとしたら、どんなものがいい?
④ リラックスできる匂いや音、音楽はありますか?
⑤ 昔やっていたことで、機会があったら、またやりたいことは?
⑥ 仲のいい友人を誘って遊ぶとしたら何をする?
⑦ これを見ると(聞くと)泣いちゃう、思わず笑っちゃうといった映像作品や本などはありますか?
⑧ 1ヶ月の休みが取れたら行きたいところは?
考えるだけでも、心の休息になります。できるできない、という現実的なことは今の時点では考えないようにするのもポイント。
「Wish List」を使うのも効果的なので、試してみてください。「感情を解放する」という点では「エクスプレッシブ・ライティング」もおすすめですよ。
「あ、これやってみたいな」と思えたものが、今あなたの身体と心が欲している「休み」です。すぐにやれるものはすぐに、準備が必要なものはその準備を、とにかくその欲求に素直に、行動に移してみてください。あなたの部下や友人などに「上手な休みがとれていない」人がいたら、試しに一緒に考えてみるのもいいですね。
視点で見る「休み方」
「上手に休む」には「4つのR」を意識することで、どんな行動をすればいいのか分かりました。しかし、行動を起こしていても、まだ休んだ気がしないという場合は、「視点」についてちょっと考えてみましょう。
「上手に休む」には「第1視点」であることが必須です。第1視点はエネルギーを生み出す視点です。休むということは、第1視点のエネルギーを充電させることでもあります。
逆に、第2視点、第3視点は「疲れやすい」視点ともいえます。周りに振り回されたり、たくさんの情報を処理する必要がある視点だからです。
もし、あなたが「第2視点」や「第3視点」にいがちだったり、移動が苦手だったりすると、上の「4つのR」を実践していても、こころから目の前のことを楽しむ、ということができません。
結果、「休むはずだったのに」余計に「疲れてしまう」ということになります。
もし、そういったことに心当たりがあるなら、こちらを見てみてくださいね。
まとめ
【問題】
上手な休みの過ごし方を知りたい
【方法】
「休むこと」というのは「ストレスを軽減すること」。「身体」と「心や頭」両方を休ませるのが大事。
そのために「4つのR」でバランスよく行動する。
・レスト(Rest)
・リラクゼーション(Relaxation)
・レクリエーション(Recreation)
・リトリート(Retreat)
【視点で考えると?】
休むには、第1視点であることが必須。第2、第3視点に固定しがちな人は注意。